一般社団法人日本糖尿病学会が主催し、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社が後援する若手研究助成金は、糖尿病研究の発展と若手研究者の育成を目的としており、2015年に第1回の公募がスタートしました。第9回若手研究助成金は2023年3月1日~3月22日の期間で募集され、このたび、10名の受賞者が決定いたしました。

一般社団法人日本糖尿病学会の常務理事で、学術調査研究・教育委員会の委員長である 荒木 栄一先生(菊池郡市医師会立病院 顧問/熊本保健科学大学 特任教授)は、今回の受賞者決定について以下のように述べています。

「若手研究助成金は、我が国における糖尿病研究の発展と若手研究者の育成を目的として、日本糖尿病学会のアクションプラン「DREAMS」の1つである「研究の推進と人材の育成」を達成するために2015年に創設されたものです。第9回となった今回は42件の応募の中から、基礎部門7件、臨床部門3件が採択されました。受賞者には2年間で合計200万円の研究費が助成されます。応募いただいた研究はいずれも素晴らしい研究内容であり、受賞者はもちろん、応募頂きました全ての皆様の研究の発展を願っております。」

また、同章を支援するノボ ノルディスク ファーマに対しては、次のコメントをいただきました。「日本糖尿病学会の目的の1つである「我が国における糖尿病研究の発展と若手研究者の育成」を目指した若手研究助成金に対しまして、ご理解をいただき、多大なご支援を賜りましたことを心よりお礼申し上げます。」

第9回の受賞者は以下とおりです。

基礎部門:7名(50音順)

北本 匠(千葉大学 医学部附属病院 糖尿病・代謝・内分泌内科)
肝細胞 FoxO1/PPARαによる胆汁酸組成変化を介した糖代謝選択的イ ンスリン抵抗性の病態解明
高橋 宙大(東北大学大学院 医学系研究科 分子代謝生理学分野)
ヒストン脱メチル化不全によるレプチン抵抗性発症機構の解明
西谷 重紀(大阪大学大学院 医学系研究科 内分泌・代謝内科学)
脂肪細胞由来ケトン体が生体内において脂肪組織機能および全身の糖代謝・臓器保護に及ぼす影響の解析
畑野 悠(京都大学 iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門)
ヒトiPS細胞由来NKX6.1陽性膵内胚葉細胞の拡大培養法確立とメカニズム解明
藤本 真徳(千葉大学 医学部附属病院 臨床試験部)
門脈周囲の糖新生の盛んな肝細胞の機能調節機構を、空間的遺伝子発現・細胞間相互作用解析で解明する
三浦 雅臣(東京大学大学院 医学系研究科 糖尿病代謝内科)
腸管の老化細胞除去による耐糖能改善作用の検討
村上 隆亮(京都大学大学院 医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学)
加齢による小胞体ストレス応答変化に着目した成熟膵β細胞増殖制御機構の解明


臨床部門:3名(50音順)

加藤 久詞(国立病院機構 京都医療センター 臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部)
単球・ミクログリア由来TREM2に標的とした糖尿病性認知症の早期予知指標と効果的予防戦略の構築
福田 士郎(大阪大学大学院 医学系研究科 内分泌・代謝内科学)
血中可溶型T-カドヘリンの健常者基準値ならびに各種代謝異常症・糖尿病との関連に関する臨床研究
山本 怜奈(金沢大学大学院 医学系研究科 内分泌・代謝内科学分野)
ヒト肝脂肪化におよぼす糖尿病関連ゲノムと環境因子間の相互作用