ノボ ノルディスク ファーマ株式会社(代表取締役社長:小谷啓輔、本社:東京都千代田区)は、国際共同第3相臨床試験であるESSENCE試験の日本人サブグループ解析結果を報告した論文が、日本消化器病学会の学会誌である『Journal of Gastroenterology』に掲載されたことをお知らせします。本論文では、日本人MASH患者においても、ESSENCE試験全体集団で認められたセマグルチド2.4 mgの有効性および安全性と概ね一貫した結果が示されました。

ESSENCE試験は、肝線維化が中等度から高度(ステージF2またはF3)1の成人MASH(metabolic dysfunction-associated steatohepatitis、代謝機能障害関連脂肪肝炎)の患者を対象に、セマグルチド2.4 mgの有効性および安全性を評価する国際共同第3相臨床試験です。

本解析は、ESSENCE試験パート1(72週時評価)において無作為割り付けされた最初の800例に基づく中間解析のうち、日本人116例を対象とした事前規定サブグループ解析です。国際共同試験では、全体集団に比べ、人種や地域による患者背景の違いが試験結果に影響する可能性があることから、日本人患者における結果を評価しました。本解析では、体重およびBMIが全体集団より低かったことを除き、日本人集団のベースライン特性は全体集団と概ね同様であり、セマグルチド2.4 mgの有効性および安全性についても全体集団と概ね一貫した結果が認められました。

ESSENCE試験パート1では、「MASHの悪化を伴わない肝線維化の改善」および「肝線維化の悪化を伴わないMASHの消失」を主要評価項目として評価しました。日本人集団においても、セマグルチド2.4 mg群ではプラセボ群と比較して主要評価項目において良好な結果が認められ、その方向性は全体集団で観察された結果と概ね一致していました。

日本人集団において、72週時点における「MASHの悪化を伴わない肝線維化の改善」が認められた被験者の割合は、セマグルチド群で36.5%、プラセボ群で28.9%でした。また、「肝線維化の悪化を伴わないMASHの消失」が認められた被験者の割合は、セマグルチド群で63.1%、プラセボ群で36.8%でした。

さらに、非侵襲的評価指標である肝硬度(VCTE)についても、セマグルチド群で低下傾向が認められました。

これらの日本人集団における有効性の結果は全体集団で観察された傾向と概ね一致していました。

安全性解析対象141例において、有害事象が認められた被験者の割合は、セマグルチド群で93.7%、プラセボ群で87.0%でした。セマグルチド群で主に認められた有害事象は、悪心および下痢などの胃腸障害でした。日本人集団における安全性および忍容性プロファイルは、全体集団と概ね一致していました。

なお、本解析は日本人サブグループにおける群間差の統計学的検証を目的としたものではなく、結果の解釈にあたってはサブグループ解析に伴う限界を考慮する必要があります。

Nakajima A, Okanoue T, Hiasa Y, Takahashi H, Opuni K, Kosaka N, Nishida T, Sanyal AJ. Semaglutide in Japanese participants with metabolic dysfunction-associated steatohepatitis: a subgroup analysis of the ESSENCE trial. J Gastroenterol. 2026 Aug 28. doi: 10.1007/s00535-026-02507-0.

ESSENCE試験は、肝線維化が中等度~高度(ステージF2またはF3)1の成人MASH患者を対象に、セマグルチド2.4 mgの週1回皮下投与の効果を評価する第3相試験です。試験は2つのパートから成り、1,200例の患者をセマグルチド2.4 mgまたはプラセボに2:1の比率で無作為に割り付け、標準治療に上乗せして240週間投与する計画です。パート1の主要目的は、セマグルチド2.4 mgがプラセボと比較して72週時の肝組織学的所見を改善させることの検証です。実施中のパート2では、肝線維化が中等度~高度の成人MASH患者において、セマグルチド2.4 mgの投与によりプラセボと比較して240週時における肝関連事象の発現リスクが低下することの検証を主要目的としています。

ESSENCE試験のパート2は継続実施されており、2029年に試験完了予定です2

*ESSENCE試験は、従来の疾患名称であるNASH(nonalcoholic steatohepatitis)に基づき実施されたものです。2023年以降、国際的なコンセンサスにより脂肪性肝疾患の名称および定義が見直され、NASHはMASH(metabolic dysfunction-associated steatohepatitis)へと変更されました。両者の臨床像や診療アルゴリズムは概ね一致していることが報告されており、従来のエビデンスは引き続き活用可能であるとされています。また、MASHでは代謝機能障害を基盤とした病態がより明確に位置付けられています。

1. 線維化ステージ(0~1:線維化なしまたは軽度線維化、2:中等度線維化、3~4:高度/進展した線維化)

2. Study Details | NCT04822181 | Research Study on Whether Semaglutide Works in People With Non-alcoholic Steatohepatitis (NASH) 

ノボ ノルディスクは、1923年創立のデンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業です。私たちのパーパスは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服することです。その目的達成に向け、科学的革新を見出し、医薬品へのアクセスを拡大するとともに、病気の予防ならびに最終的には根治を目指して取り組んでいます。ノボ ノルディスクは現在80カ国で事業を展開し、製品は約170カ国で販売されています。日本法人のノボ ノルディスク ファーマ株式会社は1980年に設立されました。詳細はウェブサイトをご覧ください。

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