ノボ ノルディスク ファーマ株式会社(代表取締役社長:小谷 啓輔、本社:東京都千代田区)は、本日、Basalインスリン製剤とGLP-1受容体作動薬を組み合わせた週1回投与の固定配合注射剤 「キーンス®配合注 フレックスタッチ®〔一般名:インスリン イコデク(遺伝子組換え)/セマグルチド(遺伝子組換え)〕」 について「インスリン療法が適応となる2型糖尿病」を適応症として、厚生労働省より医薬品製造販売承認を取得しました。

 

キーンス®配合注は、週1回投与のBasalインスリン製剤「アウィクリ®注〔一般名:インスリン イコデク(遺伝子組換え)〕」と週1回投与のGLP-1受容体作動薬「オゼンピック®皮下注〔一般名:セマグルチド(遺伝子組換え)〕」を固定比率で配合し、プレフィルドペン型注入器「フレックスタッチ®」により提供される、週1回皮下投与製剤です。既存の1日1回投与のBasalインスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の配合剤による治療や、Basalインスリン製剤と週1回投与のGLP-1受容体作動薬の併用による治療等と比較して、注射回数が減少することから、治療の強化が必要とされる2型糖尿病のある方々における治療負担が軽減され、アドヒアランス及び治療継続率の向上による血糖管理の改善が期待されます。

 

本剤の承認は、キーンス®配合注の第3相試験プログラムであるCOMBINE 1、2および3試験の結果に基づいています1-3。COMBINE試験は、国際共同、多施設、無作為割り付け、並行群間比較、非盲検、treat-to-target試験で構成された第3相臨床試験プログラムです。COMBINE 1、2および3試験において、2型糖尿病の成人患者約2,500例以上が登録され、そのうち日本人は300例以上登録されています。COMBINE 1および2試験においては、対照群(COMBINE1試験:インスリン イコデク、COMBINE 2試験:セマグルチド1.0 mg)と比較して優越性、COMBINE 3試験においては対照群(インスリン グラルギン 100単位/mLおよびインスリン アスパルトの併用)と比較して非劣性が検証され、良好な有効性が認められました。また、全ての試験において、キーンス®配合注の投与は安全かつ忍容性は良好であり、予期されない安全性の問題は認められませんでした。

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社  取締役 開発本部長のマルチン ジヒマは次のように述べています。「このたび、キーンス®配合注が日本で承認されたことを大変嬉しく思います。COMBINE試験の結果から、BasalインスリンまたはGLP-1受容体作動薬で十分な血糖管理が得られない2型糖尿病のある方々において、本剤は血糖管理だけでなく、体重に関するベネフィットや低血糖の発現率低下をもたらしながら、注射回数を減らすことでインスリン強化療法を簡素化できる可能性があることを示しています。この新たな治療選択肢が加わることで、糖尿病のある方々の血糖管理や長期予後の改善に寄与できると期待しています。」

COMBINE 1試験はBasalインスリンによる治療で十分な血糖管理が得られていない2型糖尿病患者1,291例を対象に、52週間投与における、キーンス®配合注週1回投与の有効性及び安全性をインスリン イコデク(週1回投与)と比較しました。主要評価項目である、ベースラインから52週までのHbA1cの変化量について、インスリン イコデクに対するキーンス®配合注の優越性が検証されました(p <0.0001)1

 

COMBINE 2試験はGLP-1受容体作動薬による治療で十分な血糖管理が得られていない2型糖尿病患者683例を対象に、52週間投与における、キーンス®配合注週1回投与の有効性および安全性をセマグルチド(週1回皮下投与)と比較しました。主要評価項目である、ベースラインから52週までのHbA1cの変化量について、セマグルチドに対するキーンス®配合注の優越性が検証されました (p <0.0001)2

 

COMBINE 3試験はBasalインスリンによる治療で十分な血糖管理が得られていない2型糖尿病患者679例を対象に、52週間投与における、キーンス®配合注週1回投与の有効性及び安全性をインスリン グラルギン 100単位/mLおよびインスリン アスパルトの併用と比較しました。主要評価項目である、ベースラインから52週までのHbA1cの変化量について、インスリン グラルギン 100単位/mLおよびインスリン アスパルトの併用に対するキーンス®配合注の非劣性が検証されました (p <0.0001)3

アウィクリ®注は世界で初めてとなる週1回投与の新しいBasalインスリン製剤です4。半減期は約1週間であり、長時間作用が持続します。皮下投与後、インスリン イコデクは可逆的にアルブミンと結合しますが、緩徐にアルブミンから解離しインスリン受容体と結合して作用することで、血糖降下作用が1週間にわたって持続します。Basalインスリン製剤は、生理的なインスリンの基礎分泌を補充する目的で糖尿病を有する方の血糖管理に用いられます。

オゼンピック®皮下注は、2型糖尿病を適応とする週1回投与のヒトグルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1) 受容体作動薬です。オゼンピック®皮下注は、現在75カ国で販売されており、全世界で700万人の2型糖尿病のある方々がオゼンピック®皮下注による治療を受けています5

糖尿病とは、インスリンの作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群です6。糖尿病には、1型、2型と呼ばれるタイプがあり、それぞれ発症要因が異なります。

1型糖尿病は、すい臓のβ細胞の破壊によってインスリンが絶対的に欠乏することで発症する糖尿病です。原因としては自己免疫反応の異常やウイルス感染が考えられていますが、原因のわからない特発性のものもあります。日本で糖尿病全体の約95%を占める2型糖尿病は、遺伝的要因と環境的要因 (過食や運動不足、肥満、加齢など) が重なり合い、インスリン分泌の低下やインスリンの働きが悪くなること (インスリン抵抗性) が原因でインスリンの相対的な不足が起きることで発症します。

ノボ ノルディスクは、1923年創立のデンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業です。私たちのパーパスは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服することです。その目的達成に向け、科学的革新を見出し、医薬品へのアクセスを拡大するとともに、病気の予防ならびに最終的には根治を目指して取り組んでいます。ノボノルディスクは現在80カ国に約68,800人の社員を擁し、製品は約170カ国で販売されています。日本法人のノボ ノルディスク ファーマ株式会社は1980年に設立されました。詳細はウェブサイトをご覧ください。 www.novonordisk.co.jp

1.Mathieu C et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025: S2213-8587(25)00096-8

2.Lingvay I et al. Diabetologia 2025;68(4):739–751

3.Billings LK et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025 Jun 4:S2213-8587(25)00052-X

4.Rev Endocr Metab Disord. 2025 Mar 29;26(4):559–574

5.Novo Nordisk Data on File. IQVIA Ozempic and Rybelsus patient numbers March 2025

6.糖尿病学会 編・著「糖尿病治療ガイド 2024」文光堂、2024年発行