新規2型糖尿病治療薬リラグルチドの優れた血糖降下作用、膵β細胞機能の改善効果、体重増加抑制効果が第3相試験より明らかに
2009年5月26日
PRESS-09-15
糖尿病ケアのリーディングカンパニーであるノボ ノルディスク ファーマ株式会社(社長:クラウス アイラセン、本社:東京都千代田区)は、5月23日、第52回日本糖尿病学会年次学術集会において、新規2型糖尿病治療薬 ヒトGLP-1アナログ製剤リラグルチドの2つの第3相試験の結果を発表しました。両試験により、日本人2型糖尿病患者に対するリラグルチドの優れた血糖降下作用、体重増加抑制効果、膵β細胞機能の改善が示され、リラグルチドが現在の糖尿病治療の問題点を解決しうる画期的な新薬になる可能性が示されました。
■ リラグルチド単独療法の試験:24週後の主な結果は以下のとおり。
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血糖降下作用(HbA1C値):投与後24週のHbA1C(ベースライン調整後)はリラグルチド群(6.99%)、グリベンクラミド(SU)群(7.50%)であり、リラグルチド群で有意に低かった
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ベースラインからのHbA1Cの変化量:リラグルチド群で1.74%、グリベンクラミド群で1.18%低下。リラグルチド群でグリベンクラミド群と比較して変化量が大きかった
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HbA1C値6.5%未満の達成率:リラグルチド群で28%、グリベンクラミド群で11%であり、リラグルチド群で有意に高かった
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リラグルチド群では膵β細胞機能の改善が示された
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リラグルチド群ではグリベンクラミド群に比べ投与後24週の体重が有意に低かった
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重大な低血糖は両群で認められなかった。リラグルチド群ではグリベンクラミド群に比べ低血糖発現頻度が有意に低かった
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リラグルチド群では胃腸障害が多く見られたが、ほとんどが一過性で、忍容性は良好であった
■ リラグルチドとスルホニルウレア薬(SU薬)との併用療法の試験:24週後の主な結果は以下のとおり。
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血糖降下作用(HbA1C値):投与後24週のHbA1C(ベースライン調整後)はリラグルチド併用群で、SU単独群と比べHbA1C値が有意に低かった
- リラグルチド0.9mgとSU併用群で6.75%
- SU単独群で8.02%
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ベースラインからのHbA1Cの変化量:リラグルチド併用群で、SU単独群と比べ変化量が大きかった
- リラグルチド0.9mgとSU併用群で1.56%低下
- SU単独群で0.40%低下
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HbA1C値6.5%未満の達成率:併用群で、SU単独群に比べ有意に高かった
- リラグルチド0.9mgとSU併用群で47%
- SU単独群で5%
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リラグルチド併用群では膵β細胞機能の改善が示された
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重大な低血糖は3群で認められなかった。リラグルチド併用群ではSU単独群に比べ低血糖発現頻度が高かった
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リラグルチド群では胃腸障害が多く見られたが、ほとんどが一過性で忍容性は良好だった
関西電力病院院長であり、本臨床試験の治験調整医師を務めた清野裕医師は、「日本の第3相試験では、欧米の治験よりも少ない投与量で、より優れた血糖降下作用が示された。一因として、日本人の2型糖尿病患者では欧米に比べてインスリン分泌の低下が顕著であり、これにインクレチン作用の低下が関与している可能性が考えられる。低血糖なしにインスリン分泌を改善するリラグルチドは、日本人2型糖尿病の治療手段としてきわめて有用性が高いと思われる。加えて、体重抑制やβ細胞保護作用も期待できる本剤は、2型糖尿病治療に変革をもたらす可能性が大きい。発売後に臨床での評価を積み重ねていく事が重要である」と述べています。
【第3相試験:単独療法:24週多施設共同無作為割り付け二重盲検比較試験】
試験デザイン:
食事療法または経口糖尿病薬(試験開始前に休薬)で治療中の2型糖尿病患者400例(男性67%、平均年齢58歳、糖尿病歴8.3年、BMI 25kg/m2、HbA1C 8.3%)をリラグルチド投与群268例、グリベンクラミド群132例に無作為に割り付けた。前治療の経口糖尿病薬は4週間ウォッシュアウトし、リラグルチド群は0.9mgを1日1回投与(投与は0.3mg/日から開始し、1週に0.3mgずつ増量)し、グリベンクラミド群は1日1回または2回経口投与(1日投与量1.25mgから開始し、4週以降2.5mgに増量)し、リラグルチドの有効性及び安全性をグリベンクラミドを対照として比較検討した。
結果:
24週後 HbA1Cはリラグルチド群でベースラインより1.74%、グリベンクラミド群で1.18%低下した。24週のHbA1C(ベースライン調整後)はリラグルチド群で6.99%、グリベンクラミド群で7.50%であり、リラグルチドのグリベンクラミドに対する非劣性が示された。さらにHbA1Cの群間差-0.5%は統計学的に有意であり(p<0.0001)、リラグルチドのグリベンクラミドに対する優越性が示された。HbA1C 6.5%未満達成率はリラグルチド群で有意に高かった(28%11%)。HbA1C 7.0%未満達成率はそれぞれ49%、31%であった。空腹時血糖値もリラグルチド群で有意に低かった。さらに、プロインスリン/インスリン比及びプロインスリン/C-ペプチドの低値、食後3時間のインスリン濃度の増大及び食後血糖値の低下においてグリベンクラミド群との間に統計学的有意差がみられ、リラグルチドは血糖コントロールの改善に加え、膵β細胞機能を改善することが示された。また、グリベンクラミド群に比べ24週後の体重は有意に低かった。
リラグルチド群の低血糖発現頻度はグリベンクラミド群より低かった(相対リスク0.16)。リラグルチド群で胃腸障害が多かったが、ほとんどは投与初期に一過性に見られたものであった。その他の安全性プロファイルは2群で同様であった。
【第3相試験:併用療法:24週無作為割り付け二重盲検比較試験】
試験デザイン:
SU薬(グリベンクラミド、グリクラジド又はグリメピリド)で治療中の2型糖尿病患者264例(男性64%、平均年齢60歳、糖尿病罹病歴10.3年、BMI 24.9kg/m2、HbA1C 8.4%)にリラグルチド0.6mg+SU、リラグルチド0.9mg+SU、またはSU単独を24週間投与した。リラグルチドは1日1回0.6mg又は0.9mgを投与(投与は0.3mg/日から開始し、1週に0.3mgずつ増量)し、SU薬は薬剤、用法・用量を変更せずに投与した。
結果:
24週後 HbA1Cは、0.6mg+SU併用群で1.46%、0.9mg+SU併用群で1.56%、SU単独群で0.40%ベースラインより低下した。24週のHbA1C(ベースライン調整後)はそれぞれ7.02%、6.75%、8.02%であり、リラグルチド+SU併用群のSU単独群に対する優越性が示された(それぞれp<0.0001)。HbA1C 6.5%達成率は0.6mg+SU併用群で24%、0.9mg+SU併用群で47%、SU単独群で5%となり、リラグルチド+SU併用両群でSU単独群に比べ有意に高かった。HbA1C 7.0%未満達成率はそれぞれ47%、71%、15%であった。
SU単独群に比べリラグルチド+SU併用群ではHOMA-βの上昇、プロインスリン/インスリン比及びプロインスリン/C-ペプチド比の低値、食後3時間のインスリン濃度の増大が認められ、リラグルチドとSU薬の併用療法は血糖コントロールの改善に加え、膵β細胞機能を改善することが示された。
リラグルチド+SU併用群の低血糖発現頻度はリラグルチド投与直後から増大し、低血糖発現頻度はSU群より高かった。重大な低血糖は3群で認められなかった。リラグルチド+SU併用群では投与初期一過性に胃腸障害が高かった。その他の安全性プロファイルは3群で同様であった。
リラグルチドについて
リラグルチドは2型糖尿病治療用のヒトGLP-1アナログ製剤で、グルコース濃度依存的、つまり血糖値が高い場合にのみインスリン分泌作用を発揮するため、優れた血糖改善効果に加えて、低血糖の発現リスクが低い事が特徴です。また食欲抑制作用があり、SU薬やインスリン抵抗性改善薬などの糖尿病治療薬は体重を増加させますが、リラグルチドは体重を増加させないことが確認されています。ノボ ノルディスクは、2008年5月23日に米国及び欧州で、7月14日に日本で承認申請を提出しました。
日本の糖尿病治療について
糖尿病はインスリン分泌の低下やインスリンの働きが悪くなることで発症します。2型糖尿病は食事療法と運動療法を基本にし、場合によっては経口薬やインスリンを用います。グリベンクラミドを含むSU薬は日本で広く使用されている経口血糖降下薬です。
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