第2相試験から、ヒトGLP-1アナログ製剤liraglutide(リラグルチド)の 1日1回投与で目標HbA1c値を達成 -リラグルチドの最大用量を投与した患者さんの75%は、低血糖を きたすことなく目標HbA1c値に達しました-
2007年7月4日
PRESS-07-18
(米国現地時間6月25日発表)
日本語抄訳・再編集版
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社の親会社であるノボ ノルディスク社は、6月22日~26日まで米国イリノイ州シカゴで開催された第67回米国糖尿病学会(ADA)において、2型糖尿病治療薬として開発中のヒトGLP-1アナログ製剤、liraglutide(リラグルチド)の1日1回投与により、2型糖尿病患者さんの空腹時ならびに食後血糖値を低下することによって、血糖コントロール(HbA1c)を有意に改善したことを発表しました。この第2相試験は、日本人糖尿病患者さん226例を対象とし、14週間の治療を行いました。この結果、リラグルチドは検討した広範囲の用量において有効であり、忍容性にも優れ、最大用量を投与した患者さんの約75%は低血糖をきたすことなく血糖コントロールの目標(HbA1c<7.0%)を達成することができました1 。
関西電力病院院長で、前京都大学医学研究科糖尿病・栄養内科学教授でもあり、本臨床試験の治験調整医師を務めた清野裕医師は、「日本人で不足しているインスリン分泌を補うためのインスリンならびにインスリン分泌刺激薬は、血糖値を低下させることができるが、その結果として低血糖を誘発するおそれがあり、時に危険な場合もあります。1日1回投与による忍容性が良好で、患者さんの多くが良好な血糖コントロールを得られるうえに、低血糖のリスクが低く、しかも体重増加作用のない本製剤はきわめて有効と考えられ、糖尿病治療に画期的な変革をもたらすことが期待できると考えられる」と述べています。
リラグルチドは血糖値が高すぎる場合にのみ血糖値を下げる働きをし、低血糖を引き起こすリスクが低いことが過去の試験で示されています2,3 。
本試験について(ADAの発表アブストラクトNo:0520-P)
本試験では、食事療法または経口糖尿病治療薬の単独療法で治療している日本人2型糖尿病患者226例を対象とし、すべての糖尿病治療薬の使用を8週間中止した後、4用量(0.1 mg、0.3 mg、0.6 mgおよび0.9 mg)のリラグルチド(1日1回投与)またはプラセボのいずれかに無作為に割り付けました。ベースラインのHbA1cは8.1~8.5%でした。この無作為割り付け、14週間投与の臨床試験では、リラグルチド1日1回投与によりHbA1cの用量依存性の有意な低下が認められました(0.79~1.85ポイント。プラセボ調整後、p<0.0001)。さらに、HbA1cが7%未満に低下した被験者の割合は、プラセボ群ではわずか9%でしたが、リラグルチドでは0.1 mg/日群で22%、0.3 mg/日群で43%、0.6 mg/日群で62%、0.9 mg/日群で75%に達しました。また、試験に参加した被験者の平均BMIは正常域(平均BMI 23.9)にありましたが、いずれの投与群においても体重の変化はみられず、さらに、低血糖(重大及び軽度)も認められませんでした1 。
最大用量群に多く発生した消化器系有害事象は便秘(プラセボ群9%に対して7%)、下痢(プラセボ群4%に対して9%)、胃炎(プラセボ群0%に対して7%)および悪心(プラセボ群2%に対して7%)でした。治療に伴うリラグルチド抗体の上昇がみられた被験者はいませんでした。
リラグルチドについて
ヒト生体内に存在するホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は体内で迅速に分解されるため、2型糖尿病の治療薬として実用的ではありません。現在、第3相試験実施中のリラグルチドは、1日1回投与による治療を可能としたヒトGLP-1のアナログ製剤です。GLP-1は食物摂取に伴い消化管から放出されます。血糖値が高すぎる場合には、GLP-1は膵からのインスリン放出を惹起し、肝でのグルコース合成を促進するホルモンであるグルカゴン分泌を抑制します。GLP-1のインスリン分泌作用はグルコース濃度依存性であり、血糖値が高すぎる場合に限りインスリン分泌を惹起します。この特徴が低血糖発現リスクの低い理由であると考えられ、これはGLP-1の静脈内投与または皮下投与した多数の試験で確認されています。
References
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Seino Y, Kaku K, Nishijima K, et al. “Once Daily Dosing of the long acting GLP-1 analogue Liraglutide Significantly Improves Glycaemic Control by Reducing both Fasting and Post-Prandial Glucose Levels In Japanese Subjects With Type 2 Diabetes.” Poster presented (abstract # 0520-P) at the 67th Scientific Sessions of the American Diabetes Association, Chicago, IL, June 23-26 2007.
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Vilsboell T, Brock B, Perrild H, et al. 14 weeks of liraglutide therapy in subjects with T2DM significantly improves 1st phase insulin secretion and maximal beta-cell secretory capacity. Late-breaking oral presentation (abstract 750195) at: 66th annual meeting of the American Diabetes Association, Washington, DC, June 9-13, 2006.
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Vilsboell T, Zdravkovic M, Le-Thi T, et al. Liraglutide significantly improves glycemic control, and lowers body weight without risk of either major or minor hypoglycemic episodes in subjects with type 2 diabetes. Oral presentation (abstract # 115-OR) at: 66th annual meeting of the American Diabetes Association, Washington, DC, June 9-13, 2006.
本資料は、ノボ ノルディスク社(本社:デンマーク)が発表した資料(英語)を和訳編集したものです。英語版と相違のある場合は英語版が優先します。オリジナル資料はwww.novonordisk.com (英文)にてご覧いただけます。
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