糖尿病とともに生きる積極的な姿勢に感動 −糖尿病エッセイ大賞の審査を終えて−
| 特別審査員 |
東京女子医科大学糖尿病センター センター長 |
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岩本安彦先生 |
「糖尿病で変えてきたこと、変えていきたいこと」をテーマに募集したノボ ノルディスク 糖尿病エッセイ大賞には、短い応募期間にもかかわらず、177篇に及ぶ多数の作品が寄せられたことに、まずとても驚きました。そして、私が読ませていただいた多くの応募作品からは、短い文章の中に、作者の、糖尿病患者さんの仲間(同志)や周囲の人達に訴えたい気持が強いインパクトとなって伝わってきました。患者さん自身から、また、患者さんと身近に接している方々によって描かれた患者さんの日々の生活からは、糖尿病を真正面に受けとめ、糖尿病とともに前向きに生きている積極的な姿勢がわかり、深い感銘を受けました。受賞作品は、最優秀賞、優秀賞、佳作に分けられてはいますが、いずれも力作でその差はほとんどなく、まさに甲乙つけがたいものでした。
私が医学部を卒業して、研修医として糖尿病患者さんの診療をスタートして、すでに35年経ちました。その当時のインスリンは動物由来のインスリンであり、研修医として担当したインスリンアレルギーの患者さんに、カツオのインスリンを入手して使ったことを思い出します。この間、インスリン治療に限っても、ヒトインスリン製剤の開発、インスリンアナログ製剤の開発とめざましい進歩を遂げています。勿論、インスリン治療の進歩を支えたものは、製剤の進歩だけではなく、ペン型注射器や限界まで細くなった注射針、さらには、血糖自己測定用の機器の進歩なども大きく寄与していることは、言うまでもありません。
今回、糖尿病エッセイ大賞の審査を通じて、患者さん達の頑張っているエネルギーをいただきました。私自身、日進月歩の医学・医療の進歩を日々の診療の中に積極的にとり入れ、1人でも多くの患者さんのお役に立ちたいと改めて考えています。
プロフィール
1971年東京大学医学部卒業後、1973年東京大学医学部第三内科に入局、糖尿病研究室に所属し、糖尿病の臨床と研究に従事。1978年~1981年米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校に留学し、インスリンの作用に関する研究に従事。帰国後、1981年東京大学医学部第三内科助手、1983年自治医科大学内分泌代謝科講師、1992年同助教授を務め、1994年東京女子医科大学糖尿病センター助教授を経て1995年同教授に就任。日本内科学会、日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本肥満学会などの役員を務める。
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